中国で構想されている 道を跨ぐ電気BUS


今年の8月頃のニュースでご存じの方も多いとは思うが、中国の勢いを感じさせる面白い構想なので、改めて紹介しておく。詳しくは(YOU TUBE)をご覧ください。

バスの構造は見ての通り、2車線分の道路を跨ぐ2階建てバス。既存道路の2車線分を拝借してレールを敷設すると完成するので、安上がりでもあるとのこと。1階部分は車道に開放して、バス停においても乗用車の通行を妨げないのがミソ。衝突防止のセンサーなども配置して、走行中も利用可能としている。

不意の事故の際は、歩道側の窓部分が壁ごと開いてその斜面を一気にすべって外へ逃げれる機構が組み込まれているなど、一応本気モードのようです。(窓ガラスが割れて危ないとは今のところ考えていないようにも思えるが)

立体横断施設を利用して、天井からも乗降させる構想もあるようだが、未来に向けてあらゆる既成概念を取っ払った発想は、やはり中国ならではのもの。今は安全のことを考えると現実的ではない気がするが、車の運転が自動になれば、衝突の危険もぐっと減るだろうから、そのような時代にはこのようなバスが当たり前になっているかも知れない。行く末は如何に?

Volkswagen の電動バイク bik.e



北京のモーターショーで発表されたVWの電動バイクのコンセプトモデル。最高時速=20km、最長航続距離=20km、 AC電源のほか、自動車のDC電源からも充電できるとのこと。(YouTube)

折り畳んでトランクのスペアタイヤスペースに収納できる点が魅力的ですね。軽やかなイメージは自転車の様でもあり、バッテリーの性能があがれば、街乗りのビークルとして多いに可能性を感じさせてくれます。チェーンが無い分、(油まみれにならないので)自転車よりも扱いやすそうでもあります。

似たコンセプトに YikeBike というのもありました。(YouTube) 駆動系がモーターになることで、コンパクト化とインテリジェント化が進み、いろいろと面白い乗り物が出てきて、わくわくします。インフラとしての道路のあり方も、未来に向けて研究の余地がまだまだありそうです。

駐輪場の新しい風



江戸川区役所とJFEエンジニアリング株式会社が開発したハイテク駐輪場が面白い。2008年度土木学会技術賞も受賞したこの装置、技術的に良くできているだけでなく、運用システムも利用者にとっても大変便利にできている。その結果、そもそも開発の動機となっていた駅前の不法駐輪を一掃したという実績もついて、近頃、いろいろなメディアで紹介されており、ご存知の方も多いと思う。

詳しくは、YOU TUBE(葛西駅)YOU TUBE(平井駅)HP(1)HP(2)をご覧ください。

外国からも好奇の目で見られて、いろいろな意味でJAPAN面目躍如というところだが、海外でもこんなもの(ドイツ)や、こんなもの(オランダ)や、こんなもの(スイス)があり、限られたスペースに多くの自転車を止めたいというニーズはそれなりにあるようだ。

また、シカゴではシャワールームを備えた駐輪場が都心にできて好評を博している模様。自転車通勤ステーション兼レクレーション基地になっているようで、東京でもこんなのがあれば、相当人気が出そうである。アメリカの自転車通勤の様子を伝えるフィルムを見ると、都心の気の利いた駐輪場と郊外へ伸びる快適な自転車道が整備されれば、日本でも自転車通勤が当たり前になる気がしてくる。
 2010.03.27

民間企業が提供する バスサービス「丸の内シャトル」から考える

NPO法人「大丸有エリアマネジメント協会」や、その母体となる「大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会」等により、通称「大丸有」地区では、自転車からバスに至るまで、いろいろな公共交通の試みが実施されている。

丸の内シャトル」はその一つで、地区内の企業協賛により無料で運用されている。車両も環境に配慮したマイクロガスタービンによって発電された電気で走る「EVバス」が使われている。廃熱をどう利用しているのか気になるところであるが、2000頃に盛んに議論されていた燃料電池やマイクロガスタービン発電の利用がすでに実用段階にあることを実感する事例である。

発電、充電、廃熱利用、これらのキーワードを考える上でも参考になる事例である。 2010.03.07

そろそろ本格化? リチウムイオン電池で走る公共交通

リチウムイオン電池で走る公共交通の話題がいろいろ出始めている。
たとえば、経産省「低炭素社会実証モデル事業」として、北陸電力が富山地方鉄道などと開発を進めてきた電気バスの試験導入が富山市内で始まっている。定員28人、急速充電できるリチウムイオン電池を4台搭載し、フル充電で68km走行、最高速度は84km/h。

また、三菱重工は路線バス用の電池生産への投資を活発化している。電池価格の低下が始まれば、現在のディーゼルバスに比べても運行費の縮減が見込まれる上に、大気汚染もクリアできる。発進・加速時のショックがなく、静かで、乗客サービルの面でも有利となる。加えて、路線バスは、運行距離が計算でき、急速充電技術の進化もあいまって、電気自動車としての運用にも向いている。そんなところが背景である。

フィレンツェなど欧州では架線を張らない景観的なメリットやインフラ整備費の縮減が見込まれるなどの理由からバッテリ搭載型LRTの採用が検討されている事例もある。また、福井でもバッテリー搭載型のLRTが実験されているなど、日本でも話題が出始めている。

いよいよ、リチウムイオン電池で走る公共交通時代の幕開けが始まったようである。 2010.03.03

Vélo'V(Lyon) & Verib(Paris)


下に富山の話題を載せましたが、その本家筋に当たるVélo'V(Lyon)Verib(Paris)の写真を、黒島氏から提供いただいたので、ここに載せておきます。
Lyonでは実際に利用し、重宝したそうです。パリ市内では、自転車の利用方法についていろいろと規則&罰金があるらしく、利用を躊躇したそう。(Photo by Kuroshima) 2010.01.10

富山市に Verib 上陸 ...前夜


   サービス名称:シクロシティ富山    ステーション数  :15箇所(富山市中心部)
   自転車台数 :150台         サービス開始予定日:平成22年3月20日(土)

このBlogでも何度も取り上げたJCデュコー社の子会社であるシクロシティ社が本年3月に富山市でバリと同じレンタサイクルシステムを展開するそうである。まさに真打ち登場といったところか。これでこのビジネスモデルの雌雄は決した、...と思える。
外資だろうが何だろうが、良いものはさっさと買う富山市のビジネスセンスに、今は拍手を送りたい。日本行政の遅れがこのような形で地方都市に展開される様は喜ばしいやら悲しいやら、複雑な気持ちではある。
JCデュコー恐るべし。ところで、自転車はどこ製なのかしら?  2010.01.05

たかがバス、されどバス


たかがバス、されどバス。
写真はクリチバ市のHPからDLしたものだが、これを眺めると、バスをLRT的に活用することが可能であることが理解されるだろう。
 1)車体は3連結で、一人の運転手が運べる輸送人員を増大させる。
 2)バス停はチケット販売と屋根を加え、路面をバス床まで上げて快適性を確保。
 3)レールは敷かずに道路を占用する。
これで、費用対効果が大きいBRT(Bus Rapid Transit)となる。

一方、過疎地域でのデマンドバスや、中都市部でのコミュニティバスも、課題を抱えながらも、手がつけやすいという臨機応変度の高さで、日本全国を席巻した。
大型バスは世界にモデルがあるが、デマンドバスやコミュニティバスはありそうでない。ここにこそ、日本が取り組むべき問題があると思う、2010年の年明けである。今年は、ときどき、バス交通システムを取り上げていきたい。(写真はここから)
LinkIconバス交通については、ここも大いに参考となる。  2010.01.04

ヴェネツィアの新交通システム(2010年2月開通予定)


車道がないヴェネツィアの街でも、イタリア本土とは長い橋で接続している。その橋を渡ってきた車は、街はずれの駐車場に向かい、徒歩あるいは水上バスで街の中心部に向かうシステムとなっている。
今、その最大規模のトロンケット駐車場から鉄道駅にほど近いローマ広場までを結ぶ新交通システムが建設中である。(既に工事は終わり、試運転の最中と思われる) 
そうか、2009.10.10に紹介したカラトラバの橋は、このような計画とも連動していた訳ですね。やっと納得出来ました。ここに地図を載せておきますので興味のある方はどうぞ。(写真はすべて、http://www.apmvenezia.com/web/index.phpから引用しました) 2009.12.02

【社会実験】大手町・丸の内・有楽町地区でコミュニティサイクル


パリのVeribに触発された社会実験が[大丸有]地区で行われていたので、見てきた。社会実験と言いつつも、エリアが狭いので利用はあまりされていない様子であったが、貸し出し施設の完成度は結構高いと感じた。ここでも、ハードに強く、ソフトに弱い日本の現状を垣間みることになった。とは言うものの、1)認証システムをもう少しだけ簡素化し、2)一回の認証で全国どこでも使えるものし、3)広告収入等の資金面をどうにかすれば、全国展開する日本独自のシステムに育てることも可能だと思った。
2009.11.28

パレス サイクリング

日曜日、皇居前に行って、ビックリした。ロードレーサーの多いことにである。日曜日に皇居前の道路をサイクリングロードとして解放することは、確か20年前にもやっていたと記憶しているが、その時は放置自転車を再整備した物を貸し出していたように思う。今は色とりどりのウェアに身を包んだロードレーサーが目立つ。皆、それなりに様になっている。貸し出しのタンデム車も走っていた。
晴れた日に、地下鉄から自転車に乗り換えて、都心を回遊すると実に気持ちがよいし、いろいろな場所が案外近いことが実感出来る。近い将来、休日の都心は自転車でにぎやかになっている予感がした。郊外の駅前のように... 2009.09.06

QoL指標はB/Cにとって代るか

  • Benefit/Cost は投資効果を端的に表現する判りやすい指標である。しかし、回収予定の「Benefit=効果」を貨幣価値に換算する際、いわゆる「お金だけでは買えないもの」は傍らに置かれて換算されない。利便性を追求した20世紀的指標として当然のことではある。
  • さて、「お金だけでは買えないもの」とは、乱暴にいえば、Quality of Life(生活の質)のことであろう。健康な生活、自然の保全、街並み景観など、長い年月と人々の営みが深く関係するこれらの事柄を、投資という行為が想定している回収期間で貨幣換算することは、確かに難しい。貨幣換算とは、常に、ある一瞬をとらえることしか出来ないからである。
  • 話が飛躍しすぎるかもしれないが、B/Cは一瞬の幸せを評価することは出来たが、持続的な幸せは評価不能である。21世紀は、一瞬の幸せではなく持続する幸せを求めているので、それに見合った評価尺度を必要としている。その意味で、QoL指標が発展して行くことを期待している。 

2009.08.30

普及しつつある? ベロタクシー


新橋と銀座でベロタクシーを見かけた。
8年程前にベルリンで初めて見たほとんどそのままの姿で、日本でも時々見かけるようになってきた。初乗り300円とあったが、これも広告付きバス停と同じように、車体のラッピング広告が主な収入源らしい。
都市の公共交通の未来は広告とともに?ということか...そう言えば、民間企業が運営する電車やバスでも、吊り広告だけでなくラッピング車両が既に当たり前になっている。自転車本体には電動アシストシステムが組み込まれているそうだ。一度操縦してみたいものである。 2009.07.09

自転車政策について考える

20代前後の7年間、自転車とツーリングを趣味としていたので、自転車政策には常に関心がある。

  1. 自転車という道具そのものの進化に対する関心:日本発の技術として、1)電動アシストがどう発展していくのか、2)子供を乗せる所から始まる2人(以上)乗りへの対応を道具としてどう進化させるのか、という関心事。また、3)雨対策でデザインがどうなるか? も気になる。
  2. 道路空間のシェアリング再構築という制度設計に関する関心:自転車専用道をどう一般化(普及)させて行くのか? セグウェイなどに代表されるこれからの個人ビークルとの共存は? 等、交通安全面から警視庁も大いに関連するこの分野の制度設計の行方が気になる。
  3. 健康政策としての側面:自転車利用が健康に良く、生活習慣病予防という観点から医療費削減効果によって国家予算にも大きな影響を与えるという話は、とても面白い。

2009.06.28

セグウェイを見かけた


横浜みなとみらい地区でセグウェイに乗った警備員を見かけた。気になって、調べてみるとセグウェイジャパンが立ち上げられて、日本への本格的普及を目指すようだ。
その第一歩として、環境モデル都市「横浜市」を拠点に、持続可能な低炭素社会実現に向けた パーソナルモビリティの活用を提言するとともに社会実験を実施し、将来的には公道での走行のための特区申請も視野に活動していく予定とも。目が離せない話が、また出てきた。 2009.05.19

国際広告代理店 JC Decaux社

ストラスブールにて
今、最も気になるビジネスモデルが、「広告面を販売する権利との交換条件のもとに、都市に質の高いストリートファニチャー(バス停など)の建設と維持管理を提供する」JCDecaux社のそれである。
2003年の岡山市、2004年の横浜市を皮切りに、最近、日本でもそこかしこで目にするようになってきた。
日本法人はMCDecaux社(三菱商事との合弁)で、すでに全国34都市で展開され、これからも増えて行くであろうと思われる。8年前、知人に欧州でのJCDecaux社の社業拡大の話と日本での展開の話を聞いていたが、いつの間にか席巻していた。これは社会基盤整備における「google」のような存在だと私は認識している。VeribもJCDecaux社が実施しており、社会基盤の「整備と維持」資金として広告を利用するというビジネスモデルは今後とも発展を遂げるに違いない。我々もうかうかしていられない。
PS 岡山の事例は欧州のデザインと同じであるが、名古屋等のB-Stop(バス停)は日本の会社(知人の勤務先)がデザインを担当している。Think globally,Act locally を地で行く対応だ。 2009.4.29

 

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